DX検定の 「サービス(サービスとしてのIT)分野(E)」 は、ITを“提供形態(サービス)”として捉え、運用・継続提供まで含めた価値の作り方を整理して理解することが求められる領域です。しかし、プロダクトとの境界が紛らわしい用語も多く、言葉だけで覚えると出題意図を取り違えやすいのが実情です。
本記事は、E1(ビジネスモデル・イノベーション)を軸に、実際の試験の問題文や選択肢での頻出キーワードを出題頻度(★〜★★★)つきで整理した「合格用まとめ」です。
ロボット/AI・ソフトウェア/IoT・ハードウェア/ビッグデータ・データサイエンス/クラウド・開発/セキュリティ・ネットワークの各観点で“サービスとしての活用事例”を押さえつつ、「混同しやすいキーワードまとめ」で“サービスとして捉えるポイント”を総復習できる構成なので、出題で問われる視点(商品ではなくサービス)をブレずに理解したい方におすすめです。
出題範囲の全体像はこちらのページをご覧ください。
E1_ビジネスモデル・イノベーション
ロボット関連技術の活用事例
ロボットタクシー
定義:自動運転(または高度運転支援)を前提にした“移動をサービス化”するタクシー形態。
ポイント:
- 交通の「所有」ではなく「利用(サービス)」として提供する発想(移動×サービス化)
- 運行管理(配車/ルート/安全)まで含めてサービス価値になる
間違えやすいポイント:単なる自動運転車(プロダクト)ではなく、運行・配車・料金体系まで含むサービスとして捉える。
ROBORACE
定義:自動運転(AI)を競技に落とし込み、技術検証・発信の場として活用する取り組み(名称)。
ポイント:実用サービス(配車等)ではなく、技術成熟や認知獲得の文脈で出やすい。
間違えやすいポイント:eスポーツ等のデジタル競技と混同しない(主役は“走行する車両×自動運転”)。
宇宙ビジネス
定義:衛星データ、打ち上げ、通信、測位など宇宙関連資源を“サービス”として提供する産業領域。
ポイント:ハード(衛星)よりも、データ提供や通信などのサービスレイヤで価値が出やすい
間違えやすいポイント:宇宙=ロケット開発だけ、に寄せない(データ/通信/測位のサービス化が重要)。
AI/ソフトウェア関連技術の活用事例
ポケモンGO(★)
定義:位置情報とAR(現実重ね合わせ)を組み合わせたゲーム型サービス。
ポイント:
- 現実空間×デジタル体験を“サービスとして運用”する代表例
- 継続運用(イベント、アップデート、コミュニティ形成)が価値を押し上げる
間違えやすいポイント:単なるスマホアプリではなく、位置情報・AR・運用設計がセットのサービスとして捉える。
高血圧治療アプリ
定義:生活習慣の介入などを通じて治療効果を狙う“治療支援のアプリ型サービス”。
ポイント:医療領域では、機能だけでなくエビデンス/規制/運用がセットになりやすい
間違えやすいポイント:健康管理アプリ(一般)と、治療に関わるアプリ(医療寄り)をごちゃ混ぜにしない。
IoT/ハードウェア関連技術の活用事例
IoTのビジネスモデル
定義:モノを売るだけでなく、センサー/通信/データ/運用を組み合わせて継続収益化する考え方。
ポイント:
- 「売り切り」→「利用料/サブスク/成果報酬」へ寄りやすい
- データを起点に、保守・最適化・予兆保全など“運用サービス”を付加しやすい
間違えやすいポイント:IoT=デバイス導入、で止めない(運用とデータ活用がサービス価値)。
IoTプラットフォームサービス(★)
定義:多様なIoT機器をつなぎ、データ収集・蓄積・管理・連携を共通基盤として提供するサービス。
ポイント:
- 機器管理(デバイス管理)とデータ管理(蓄積/可視化/連携)が核
- 「個別最適のIoT」から「全体最適(横展開可能)」にする役割を持つ
間違えやすいポイント:単なるクラウド保存ではなく、デバイス運用・データ連携まで面倒を見る基盤として捉える。
Factory-IoTプラットフォーム(★)
定義:工場の機器データを集約し、全体最適に活かすためのIoT基盤(名称として登場)。
ポイント:工場横断・拠点横断の“共通基盤”という文脈で出やすい。
間違えやすいポイント:単一工場の見える化ツールと混同しない(“横につなぐ”が肝)。
見守りサービス
定義:センサー等で状態を把握し、異常検知・通知・支援につなげるサービス(介護/防犯/設備など)。
ポイント:IoT×通知×運用(駆けつけ/連絡体制)で価値が成立しやすい
間違えやすいポイント:センサー設置だけで完結しない(通知後の運用設計がサービス価値)。
ビッグデータ/データサイエンス関連技術の活用事例
フィンテックサービス
定義:金融とITを組み合わせ、決済・送金・融資・資産管理などを新しい形で提供するサービス。
ポイント:体験(UX)とデータ活用で差が出やすい領域
間違えやすいポイント:暗号資産だけをフィンテックと誤認しない(決済・送金・融資など広い)。
デジタル通貨
定義:デジタルで流通する通貨概念(制度設計により性質が変わる)。
ポイント:「誰が発行/管理するか」「価値の裏付けは何か」で整理すると混乱しにくい
間違えやすいポイント:暗号資産(民間・分散型が多い)と同一視しない。
電子マネー(★)
定義:事業者が発行・管理し、決済に使える電子的価値。
ポイント:決済の利便性を上げる一方で、管理主体(企業)を前提にする。
間違えやすいポイント:法定通貨そのもの(銀行預金)や暗号資産と混同しない。
企業専用通貨(★)
定義:特定企業・経済圏の中で使える通貨/ポイントのような価値(選択肢で登場)。
ポイント:利用範囲が限定される代わりに、経済圏内の行動設計(インセンティブ)に使いやすい。
間違えやすいポイント:誰でも広く流通する通貨と混同しない(“閉じた経済圏”が前提)。
暗号資産(★★)
定義:暗号技術等を用いたデジタル資産の総称として扱われる概念(問題集で登場)。
ポイント:
- 価格変動、送受信、保管(ウォレット等)など“資産”としての性質が強い
- 仕組みはブロックチェーン等と結びついて出やすい
間違えやすいポイント:電子マネー(企業管理)と混同しない(暗号資産は性質が異なる)。
仮想通貨(★)
定義:暗号資産とほぼ同義で扱われることがある呼称(文脈で使い分けが揺れる)。
ポイント:試験では“暗号資産”が正として出ることが多いので、用語の揺れを認識しておく。
間違えやすいポイント:仮想通貨=電子マネー、のような短絡に注意。
ステーブルコイン(メガバンク)
定義:価格変動を抑える設計(法定通貨連動など)を持つデジタル資産。
ポイント:“安定”は仕組み(裏付け資産/設計)によって成立する
間違えやすいポイント:「ステーブル=絶対安全」と思い込まない(裏付けや運用が重要)。
デジタル資産(★)
定義:デジタル上で価値を持つ資産概念(選択肢で登場)。
ポイント:NFTや暗号資産などをまとめる上位概念として出やすい。
間違えやすいポイント:デジタルデータ一般(写真ファイル等)と同一視しない(“価値の移転/所有”の設計が前提)。
ブロックチェーン(★★★)
定義:取引履歴などを連鎖的に記録し、改ざん耐性や透明性を狙う分散型の台帳技術。
ポイント:
- 分散型(複数参加者で維持)・透明性・トレーサビリティがセットで出やすい
- NFT/トークン/暗号資産の“基盤技術”として登場しやすい
間違えやすいポイント:ブロックチェーン=暗号資産、ではない(暗号資産は用途の一つ)。
分散型(★★)
定義:単一の管理者に依存せず、複数主体で維持・合意形成する設計。
ポイント:中央集権/非中央集権と対で理解すると強い。
間違えやすいポイント:分散型=必ず匿名、ではない(企業向けは参加者が限定されることも多い)。
中央集権(★)
定義:管理主体が中心となってデータ/ルールを統制する設計。
ポイント:電子マネーや多くの従来型サービスは中央集権の要素が強い。
間違えやすいポイント:中央集権=悪、ではない(運用・規制・責任所在が明確になりやすい)。
非中央集権(★)
定義:特定の中心主体に依存しない設計(分散型の文脈で使われやすい)。
ポイント:ブロックチェーンの価値説明で出やすい。
間違えやすいポイント:完全に中心が存在しない、と言い切る説明に注意(実運用は設計次第)。
トレーサビリティ(★)
定義:履歴を追跡できる性質(いつ・誰が・何を、が追える)。
ポイント:ブロックチェーンの利点説明で頻出。
間違えやすいポイント:追跡できる=必ず個人が特定できる、ではない(設計による)。
改ざん(★)
定義:記録内容を不正に書き換えること。
ポイント:ブロックチェーンは改ざん耐性の説明で出やすい。
間違えやすいポイント:絶対に改ざん不可能、という断定に注意(コスト・合意形成などの文脈で語る)。
NFT(★★★)
定義:唯一性(非代替性)を持つトークンで、デジタル資産の所有/証明に使われる概念。
ポイント:
- 代替可能(同じ価値で交換可)ではなく、個体識別が主役
- コンテンツ、会員権、証明書など“権利の表現”として出やすい
間違えやすいポイント:NFT=画像そのもの、ではない(所有/権利/証明の“仕組み”側)。
トークン(★★★)
定義:ブロックチェーン上などで発行される価値の単位(用途により性質が変わる)。
ポイント:
- 支払い/権利/投票など、用途により意味が変わる(“万能ラベル”)
- コミュニティ設計(参加・貢献)と結びつく場合がある
間違えやすいポイント:トークン=暗号資産、で固定しない(設計次第で役割が変わる)。
ソーシャルトークン(★)
定義:個人やコミュニティが発行し、参加・貢献・価値共有を表現するトークン概念(問題集で登場)。
ポイント:投機目的だけでなく、コミュニティ運営やインセンティブ設計に使われる。
間違えやすいポイント:企業専用通貨(★)と混同しない(発行主体・目的が異なる)。
情報銀行
定義:個人が自分のデータ提供を管理し、同意に基づき企業等へ提供する枠組み(概念)。
ポイント:“同意”と“データの取り扱いルール”が主語になりやすい
間違えやすいポイント:データ販売サイトのような乱暴な理解にしない(信頼・ルール設計が核)。
リーガルテック
定義:契約・法務・コンプライアンス等をITで効率化/高度化する領域。
ポイント:文書管理、レビュー支援、手続きのオンライン化などが代表例。
間違えやすいポイント:Fintech(金融)と混ざりやすいが、リーガルは法務領域。
イーサリアム(★)
定義:代表的なブロックチェーン・プラットフォームとして登場する名称。
ポイント:暗号資産の話だけでなく、“プラットフォーム名”として問われやすい。
間違えやすいポイント:ビットコイン等の“通貨名”と同列に扱いすぎない(プラットフォームとしての文脈に注意)。
ブロックチェーン・プラットフォーム(★)
定義:企業利用も含め、ブロックチェーンを基盤としてアプリ/ネットワークを構築できる仕組み(問題集で登場)。
ポイント:代表例として複数の名称が並び、組み合わせで問われやすい。
間違えやすいポイント:ブロックチェーン(技術一般)と、プラットフォーム(実装基盤)を混同しない。
ビザンチン耐性(★)
定義:一部の参加者が不正/故障してもシステムが正しく合意形成し続ける性質(問題集で登場)。
ポイント:ブロックチェーンの信頼性説明で狙われやすい。
間違えやすいポイント:単なる障害耐性(冗長化)と混同しない(“悪意/不正”も想定するのが特徴)。
Quorum(★)
定義:企業向けブロックチェーン・プラットフォームとして並びやすい名称(問題集で登場)。
ポイント:代表例の暗記枠(他の名称とセット)。
間違えやすいポイント:クラウド製品名やデータ基盤名と取り違えない。
Hyperledger Fabric(★)
定義:企業向けブロックチェーン・プラットフォームとして並びやすい名称(問題集で登場)。
ポイント:代表例の暗記枠(Ethereum/Quorum等とセットで整理)。
間違えやすいポイント:Fabric(一般語)として見落とさない(固有名詞枠)。
クラウドコンピューティング/開発関連技術の活用事例
UberEats
定義:需要と供給(店舗・配達員・利用者)をつなぐデリバリープラットフォーム(名称)。
ポイント:“自社で全部やる”より、仲介(マッチング)と運用で価値を作る
間違えやすいポイント:単なる配送業ではなく、マッチングと運用のプラットフォーム。
airbnb
定義:宿泊需要と供給(宿主・旅行者)をつなぐプラットフォーム(名称)。
ポイント:資産を持たずに市場を作る(プラットフォーム型)代表例。
間違えやすいポイント:ホテル運営(自社資産型)と同一視しない。
オンデマンド配車サービス
定義:利用者の要求に応じて、リアルタイムに配車するサービス。
ポイント:マッチング(需要×供給)と動的な最適化が価値になりやすい。
間違えやすいポイント:「オンデマンド」という語がクラウド文脈(オンデマンドセルフサービス)でも出るので、文脈を見誤らない。
組込型金融
定義:非金融サービスの中に、決済・与信などの金融機能を“組み込んで提供”する形。
ポイント:体験の中に金融を埋め込むことで離脱を減らし、収益機会を増やしやすい
間違えやすいポイント:金融アプリを別で提供するのではなく、本体サービスに溶け込ませるのが本質。
API Gatewayサービス
定義:複数APIへの入口を統合し、認証・制御・監視などをまとめて提供する仕組み。
ポイント:外部連携(API連携)が増えるほど価値が出る(安全・運用が主役)
間違えやすいポイント:単なるルータ/ロードバランサと混同しない(API管理・認証・制御の役割が大きい)。
セキュリティ/ネットワーク関連技術の活用事例
オンライン診療システム
定義:遠隔での診療を成立させるための予約・問診・映像通話・記録・決済などを支える仕組み。
ポイント:医療データを扱うため、本人確認や記録、セキュリティ設計が重要になりやすい
間違えやすいポイント:ビデオ通話ツールだけで成立する、と捉えない(運用・記録・連携が必要)。
ビッグデータとデータセキュリティ
定義:大量データを扱うほど、漏えい・不正利用・改ざん等のリスク対策が重要になるという観点。
ポイント:“集めるほど危ない”ので、アクセス制御・暗号化・監査など運用設計が価値になる
間違えやすいポイント:セキュリティ=ツール導入だけ、にしない(運用とルールが主役)。
混同しやすいキーワードまとめ
プロダクト(商品) vs サービス(サービスとしてのIT)
ポイント:
- プロダクト:買って終わり(価値の中心は“モノ”)
- サービス:運用で価値が積み上がる(アップデート、運用、マッチング、データ活用)
間違えやすいポイント:同じ技術でも、価値の中心が“運用”に移るとサービスとして出題されやすい。
電子マネー(★) vs 暗号資産(★★) vs デジタル通貨
ポイント:
- 電子マネー:企業が管理し、決済に使う価値
- 暗号資産:デジタル資産としての性質が強く、仕組みはブロックチェーン等と結びつきやすい
- デジタル通貨:制度設計で性質が変わる上位概念(誰が発行/裏付けは何かで整理)
間違えやすいポイント:全部ひっくるめて「デジタルなお金」と雑に覚えない。
トークン(★★★) vs NFT(★★★)
ポイント:
- トークン:価値の単位(用途で意味が変わる)
- NFT:非代替性(唯一性)を持つトークン(個体識別が主役)
間違えやすいポイント:NFT=画像ファイル、と誤解しない(仕組み/権利の表現が主語)。
ブロックチェーン(★★★) vs ブロックチェーン・プラットフォーム(★)
ポイント:
- ブロックチェーン:台帳技術の総称(概念/仕組み)
- プラットフォーム:その技術で“構築できる実装基盤”(名称が代表例として並ぶ)
間違えやすいポイント:代表例(Ethereum/Quorum/Hyperledger Fabric)を“通貨名”として覚えない。
分散型(★★) vs 中央集権(★)
ポイント:
- 分散型:複数主体で維持・合意形成(不正や故障も想定)
- 中央集権:管理主体が統制(責任所在が明確になりやすい)
間違えやすいポイント:分散型=常に最強、中央集権=古い、のような価値判断で覚えない。
「オンデマンド(配車)」 vs 「オンデマンド(クラウド特性)」
ポイント:
- 配車:利用者要求に応じてリアルタイムにマッチング
- クラウド特性:必要時に利用者が自分でリソースを使える(オンデマンドセルフサービス)
間違えやすいポイント:同じ単語でも文脈が違う。設問の主語(配車かクラウドか)を先に確定する。


