EOS R6 MarkIIIが発売された直後の2025年12月、私はあえて最新機種ではなく、EOS R6 MarkIIを購入しました。
今回は、その判断に至った理由を正直に書いてみたいと思います。
はじめに|MarkIIIを待ち続けていた
これまで私は初代EOS R6をメイン機として使ってきました。そろそろ買い替え時期だと感じ、次の一台として最も期待していたのが EOS R6 MarkIII です。
2024年末ごろから新機種の噂が出始め、「どんな進化を見せてくれるのか」と、かなり楽しみに待っていました。
そして2025年11月、ついにMarkIIIが正式発表されます。
……しかし、結論から言うとそのスペックは、私が期待していたものとは少し違っていました。
期待値が高すぎた、という面もあるかもしれません。それでも「これは買い替える理由になるのか?」と、冷静に考える必要がありました。
前提|私の撮影スタイル
まず前提として、私の撮影スタイルは以下のとおりです。
- アマチュアの写真愛好家
- 主な被写体:風景・夜景
たまにスナップ、ポートレート(3歳の娘)、航空機(戦闘機)などを撮影 - スチル撮影が中心、動画はたまに撮る程度
この前提が、以下の判断に大きく影響しています。
MarkIIIの購入を見送った3つの理由
実は過去に、EOS R6 MarkIIIを批評する記事も書いており、その時点では「なんだかんだ最終的には買うだろう」と思っていました。
しかしその後、SONY α7Vの発表と、実写データを含めたスペック比較を行う中で、MarkIIIへの気持ちは徐々に変わっていきました。
①ダイナミックレンジ
photons to photosにてEOS R6 MarkIIIのダイナミックレンジの測定結果が公表されました。MarkIIIはMarkIIからわずかに改善しているものの、SONY α7Vと比べると最大で約1段以上の差があります。

| ISO | 100 | 200 | 400 | 640 | 800 |
|---|---|---|---|---|---|
| α7V | 12.45 | 11.70 | 10.62 | 9.83 | 9.47 |
| R6 MarkIII | 11.61 | 10.16 | 8.92 | 8.23 | 9.25 |
| Δ | 0.84 | 1.54 | 1.70 | 1.60 | 0.22 |
ISO100では0.84段程度にとどまっていますがISO400近辺では1.7段も差が出ています。
α7Vはモデルチェンジごとに、
カメラの心臓部であるセンサー性能を着実に改善してきました。
一方、R6 MarkIIIは、画素数(量)は増えた。しかしセンサーの「質」の進化は限定的、という印象を受けました。このダイナミックレンジの差は、購入見送りの最大の要因です。
私がフルサイズ機を使う理由は、夕焼けや夜景など 明暗差の大きい被写体を余裕をもって撮るため。そこに直結する性能だからこそ、妥協できませんでした。
②高感度耐性
MarkIIIは高画素化したことで、高感度耐性がやや低下しています。
私はもともと「高画素のR5ではなく、R6シリーズを選ぶ理由」として高感度耐性の良さを重視してきました。その観点では、高画素化のメリットと高感度耐性低下のデメリットを天秤にかけたとき、後者のマイナスのほうが大きく感じた、というのが正直なところです。
③バリアングルモニター
α7Vは 4点マルチアングルモニター を採用しています。横位置撮影では、レンズ面とモニター面が一直線になり、直感的に構図を決めやすいのが大きな魅力です。
私個人としては、4点マルチアングルはバリアングルの完全上位互換だと感じています。

一方R6 MarkIIIは従来のバリアングルモニターのままです。バリアングルモニターは自撮り撮影の際にメリットがあるといわれていますが、片手で持つのも大変なフルサイズ機で自撮りをするユーザーはどの程度存在するのでしょうか?
EOS R6 MarkIIIとSONY α7Vのスペック比較
| R6 MarkIII | α7V | |
|---|---|---|
| 有効画素数(万画素) | 約3250万画素 | 約3300万画素 |
| 手振れ補正 | 中央8.5段 周辺7.5段 | 中央7.5段 周辺6.5段 |
| 記録メディア | SD UHS-II CFexpress Type B | SD UHS-II ×2 CFexpress A ×1 |
| 被写体検出機能 | オート 人(瞳・顔・頭部・身体) 動物(犬・猫・鳥・馬) スポーツカー(バイク・車) 飛行機 鉄道 登録人物優先 | オート 人物 動物 鳥 昆虫 車 列車 飛行機 |
| 高速連続撮影 | [電子シャッター] ~40コマ/秒(12bitに劣化) [メカシャッター] ~12コマ/秒 | [電子シャッター] ~30コマ/秒(14bit 対応) [メカシャッター] ~10コマ/秒 |
| ファインダー解像度(ドット) | 369 | 369 |
| モニター解像度(ドット) | 162万ドット | 210万ドット |
| モニターサイズ | 3.0型 | 3.2型 |
| 可動方式 | バリアングル | 4軸チルト |
| WiFi | 802.11b/g/n/a/ac | 802.11a/b/g/n/ac/ax |
これまで伝えてきた点以外と、R6 MarkIIIが802.11 ax(Wi-Fi 6)に対応していないのが残念です。Canonの「Camera Connect」にて撮影した写真をWifi経由でiPad Proに転送しており、常々転送速度の遅さが気になっていました。
EOS R6 MarkIIIとMarkIIのスペック比較
| R6 MarkIII | R6 MarkII | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2025/11 | 2022/12 |
| 価格 | [Canon公式] 429,000円 [マップカメラ] 386,100円 | [Canon公式] 319,000円 [マップカメラ] 287,100円 |
| 有効画素数 | 約3250万画素 | 約2420万画素 |
| 記録媒体 | カード1:CFexpressメモリーカード カード2:SD/SDHC/SDXCメモリーカード UHS-IIカード対応 | SD/SDHC/SDXCメモリーカード、UHS-II、UHS-Iカード対応 |
| 連続撮影速度 | [高速連続撮影+] 最高約12コマ/秒 (メカシャッター/電子先幕) 最高約40コマ/秒 (電子シャッター) [高速連続撮影] 最高約6.2コマ/秒(メカシャッター) 最高約8.2コマ/秒(電子先幕) 最高約20コマ/秒(電子シャッター) [低速連続撮影] 最高約3.0コマ/秒(メカシャッター/電子先幕) 最高約5.0コマ/秒 (電子シャッター) | [高速連続撮影+] 最高約12コマ/秒(メカシャッター/電子先幕) 最高約40コマ/秒(電子シャッター) [高速連続撮影] 最高約5.5コマ/秒(メカシャッター) 最高約7.0コマ/秒(電子先幕) 最高約20コマ/秒(電子シャッター) [低速連続撮影] 最高約3.0コマ/秒(メカシャッター、電子先幕) 最高約5.0コマ/秒(電子シャッター) |
| 測距点 | 最大6097ポジション | 最大4897ポジション |
| AFフレーム選択 | スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)、全域AF、 全域トラッキングOFF(スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)) | スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、フレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)、全域AF |
| 準拠規格 | IEEE 802.11b/g/n/a/ac | |
| 撮影可能枚数 | [ファインダー] 常温(23℃)約270枚 [ライブビュー] 常温(23℃)約510枚 | [ファインダー] 常温(23℃)約320枚 [ライブビュー] 常温(23℃)約580枚 |
| 大きさ | 約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm(CIPA準拠) | |
| 質量 | 約609g(本体のみ) 約699g(バッテリー、メモリーカードを含む) | 約588g(本体のみ) 約670g(バッテリー、メモリーカードを含む) |
画素数の向上と被写体検出機能の「登録人物優先」がR6 MarkIIIに求めている要素でしたが、α7Vのセンサーの優等生ぶりを見てR6 MarkIIIに蛙化現象が起きてしまったようです。
定価で10万円、さらに今はMarkIIがキャッシュバックキャンペーンで3万円帰ってくるため、無理にMarkIIIを購入することはないなと判断しました。
結論|いまの自分にはMarkIIがちょうどいい
こうして私は、型落ちにはなりますが、EOS R6 MarkIIを購入しました。
最新機種を否定するつもりはありません。ただ、自分の撮影スタイル・価値観・価格を冷静に考えた結果、現時点ではMarkIIが最もバランスの良い選択だと感じています。
この判断が、同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。



