Leofoto 三脚LY-265CFを実際に1ヶ月使ってみたレビューをご紹介。
コンパクトさ撮影のしやすさはもちろん、フルサイズ機でも問題なく使える安定性を備えているおススメの三脚です。
LY-265CFとは
LY-265CFはレオフォトが発売している三脚です。センターポールの形状を工夫してコンパクト(収納時の細さが改善)な三脚となっています。
セットになっている雲台や脚の固定方法など随所にもコンパクト化の工夫がみられます。
撮影のためだけに出かける、車を保有していて撮影地すぐまで乗りつけできる場合は大型の三脚でも問題ありませんが、旅行のついでの撮影や電車での移動を伴う場合、コンパクトさが重要になります。
逆に小さければよいかというと安定性や堅牢性が犠牲となります。
この安定性とコンパクトさのバランスが重要になります。LY-265CFはそのバランスをかなり高い次元で達成しており、今後はこの三脚の持ち出し頻度が増えそうです。
おすすめポイント
持ち運びやすい
センターポールが三角形になっており、折りたたみ時に圧倒的にコンパクト(スリム)になります。
三脚のコンパクトさの指標として収納高があると思いますが、個人的には収納高より収納時の三脚全体の細さが重要であると思います。(収納高50cm以下の場合)
LY-265CFは、カメラバッグのサイドポケットにすっぽり入る細さになっています。
収納時太い三脚でも、三脚の足の一部をポケットに入れて、一部を外した状態で持ち運びすることも可能ですが、バッグ中心から大きく外れてしまい左右のバランスが悪くなってしまいます。
例えば、私くの保有している太めのトラベル三脚LX-255CTと比べて重量はほとんど変わりませんが、LY-265CFは体の中心に近い位置に収納できるため背負っていて疲労感が全く違いました。
ちなみに、50cm以上は一般的な機内持ち込みのスーツケースに入らなくなるため、細さだけではない長さの問題が出てくるのでご注意ください。LY-265CFの収納高は43.5cmなのでスーツケースにも問題なく収納できます。
取り回ししやすい
コンパクトな三脚の種類としてトラベル三脚がありますが、トラベル三脚は構造上収納時にはセンターポールが伸びた状態となってしまします。(脚を反転して収納するため)
一方、撮影時には安定性を高めるためにセンターポールを縮める必要があり、三脚の設置/移動が多くなるとこのひと手間面倒に感じてしまいます。
LY-265CFはトラベル三脚式ではなく、通常の三脚と同様に足を開けばそのまますぐ撮影することができます。バッグから取り出してすぐ撮影できるのが本当にストレスフリー。これに慣れるとトラベル三脚には戻れなくなります…。
十分なレベルの安定性
安定性が不十分だと、撮影時に風で揺れたり、シャッターボタン押下時の揺れが減衰しなかったりすることもあります。
EOS R6+RF24-105F4Lでの撮影頻度が高いのですが、本体+レンズ合わせて1,380gの機材を載せてもほとんど問題なく利用可能です。シャッターボタン押下時の揺れも比較的すぐに減衰するので、2秒のタイマー設定で問題なく撮影できます。
また、三脚の脚の固定はレバー方式となっていますが、特に安定性に問題なく固定できています。
十分な撮影高
センターポールを縮めた状態で1350mm、伸ばした状態で1580mmと通常の三脚と比較して遜色ない撮影高を得ることができます。
もちろん5段式のためフルに足を延ばして、センターポールを延ばすとその分安定性が犠牲になることがありますが、それでもこの高さはイザというときに安心感があります。
イマイチなところ
基本的にないのですが、あえて欠点を洗い出すと以下の2点があります。ただ、欠点というべきものでもなく、気持ちの問題がほとんどです。
操作に慣れが必要
雲台の外周が雲台を固定するネジとなっており、あまり一般的な雲台には見られない構造となっています。この構造のおかげでコンパクトになっているのですが、慣れるまでに少し時間がかかりそうです。
唯一存在するネジはカメラ固定用のネジのため、間違えてそれを緩めてしまうと…
また、センターポールを最大限縮めた状態では雲台の可動範囲に制限があります。極端な上向き/下向きまたは縦構図での撮影の際にはセンターポールを少し引き延ばしてから操作する必要があります。
5段ゆえの安定性の限界
三脚の足の太さは26mm/22mm/18.5mm/15mm/11.5mmとなっており、最終段はかなり細めになっています。十分な安定性はありますが、600mmレベルの望遠レンズなど重量系レンズには向かないでしょう。
【追記】砂埃に弱い!!
レバーロックなど可動部がスムーズに動くよう粘度の高いグリスがレバー部分に塗布されており、砂埃を噛みやすいです。
沖縄のビーチで使用したのですが、三脚を一度寝かせて置いたところレバーロック部分に大量の砂が入り込んでしまいました。しかもグリスにくっついてしまっているためシャワーで流しても全く取れません。
レバーロック部分を六角レンチで分解して、食器洗い洗剤など強めの洗剤でグリスごと洗い流し、再組立てをして、なんとか使える状態になりました。それでもまだジャリジャリ感は完全にはなくなりませんが仕方ありません。
ナットロック式であれば分解清掃もしやすいですが、レバーロック式は専用工具が必要で分解できたのはレバー部分だけで、脚を分解して中まで清掃はできませんでした…。
普段ハードな環境で撮影する機会はそこまで多くないのですが、今回の分解清掃はかなり骨が折れました。LY-265CFの唯一の欠点といってもよいかもしれません。
LX-255CTとの比較
同じLeofotoのトラベル三脚であるLX-255との比較です。
LY-265CF | LX-255CT | |
---|---|---|
伸長 | 1,350mm | 1,215mm |
全伸長 | 1,580mm | 1,390mm |
最低高 | 120mm | 200mm |
収納長 | 435mm | 355mm |
段数 | 5 | 5 |
脚の太さ | 26/22/18.5/15/11.5mm | 25/22/19/16/13mm |
重量 | 1,250g | 1,340g |
耐荷重 | 7kg | 8kg |
脚の固定法 | レバー式 | ネジ式 |
持ち運びやすさ | 〇 | △ |
撮影のしやすさ | 〇 | △ |
実物比較
左が今回ご紹介のLY-255CF、右がベンチマークのLX-255CTです。
旅行用にこれまでLX-255を保有していましたが、ほぼLY-265が圧勝の状況です。個人的にもLX-265があれば255は不要かなという認識です。
石突の改善点
LY-265は石突部分が改善されました。LX-255はどんなにしっかり石突のネジを締めていても、持ち運びの途中で石突が外れてしまう点が大きな欠点でした。(詳細は下記記事参照)
LY-265はゴムパッキンが追加されたため勝手に石突のネジが緩むことがなくなりました。
購入を迷った製品
PeakDesign トラベル トライポッド
PeakDesignの発売している元祖スリム系三脚です。おしゃれかつ機能性高いのが魅力的です。
ただ、円安のため2024年6月現在公式サイトでの個人輸入でも88,340円、国内ECサイトでは11万円近くの価格設定となっており、かなり高額になっています。
Ulanzi ZERO Y
こちらもPeakDesignインスパイアのスリム系三脚です。4万円弱と低価格ですが、Leofotoが5万円で購入できるため、安心感のあるLeofotoを選びました。
結論
コンパクトさ、撮影のしやすさはもちろん堅牢性を兼ね備えたバランスの良い三脚かなりおススメです。