『ブランド力を高める「指名検索」マーケティング 顧客の検索行動を決める、動画広告の活かしかた』(田部 正樹)についての要約。
指名検索をKPIとしたマーケティング手法について。ベースの考え方はマーケティングの教科書的な内容ではあるが、その実践として検索データの可視化ツールDS.INSIGHTを活用しているところが秀逸で、参考になります。
ひと言でまとめると
”マーケティング”と聞くとHowの部分であるプロモーションを連想することが多いが、プロダクト部分まで含めて考える必要がある。その際に重要になるのが顧客理解。
購買意向を発見し言語化するためのフレームワーク
なぜ(Why):なぜ存在しているか、選ばれる理由
誰に(Who):対象顧客
インサイト:本人が気づいていない欲求
何を(What):商品・サービス
バリュー:対象顧客が受け取る価値
コンセプト:他社にない独自性を一言でいうと
顧客理解、誰に何を伝えるかという広告の基礎、PDCAによる改善のそれぞれにおいて検索行動は有益なツールとなる。
書籍のエッセンス
指名検索は「認知 × 購買意向 × 今欲しいと思ってもらえるか」の掛け合わせ。認知だけ広めても検索行動は動かない。
マーケティングで重要なのはプロモーションよりも「売れる商品を作ること = 顧客から求められる商品を作ること」が重要
顧客理解はロイヤルカスタマーから始める。
・ロイヤルカスタマーは何故その商品・サービスを選んでくれているのか
・なぜ選んでくれているのか、その理由を会社は理解しているのか
検索ワードの時系列で競合他社やカテゴリーワードが分かる。DS.INSIGHTのツールをインサイトを深掘りする参考に。
A社を検索したらB社も検索するという「検索される世界観」の中では、競合サービス通しは引力にひかれあうように徐々に近づいてい来る。自社のイメージに関係なく、どの企業やカテゴリーと一緒に検索されているかを意識せざるを得ず、検索結果次第では事業戦略が変わってきてしまうことも。
購買意向を発見し言語化するためのフレームワーク
なぜ(Why):なぜ存在しているか、選ばれる理由
誰に(Who):対象顧客
インサイト:本人が気づいていない欲求
何を(What):商品・サービス
バリュー:対象顧客が受け取る価値
コンセプト:他社にない独自性を一言でいうと
時系列で検索行動を観察してみると、一見関連がないように思えるワードが同時に検索されていたりする。
サービス名だけを発信したり覚えてもらったりしてもあまり意味がない、「何のイメージと関連付けて検索されたいのか」から逆算して発信した方が検索されやすく、購入してもらいやすい。
ほけんの窓口の事例
保険を選ぼうとする人はたくさんある中から適したものを選びたいわけではなく、そもそも保険の知識もない。そのため「40商品の中から一つ選べます」と伝えてもあまり刺さらない。検索行動から調べると「騙されて変な商品を交わされれうのではないか。不安だ」というのが最大のインサイトだとわかり、「保険の勉強ができます」というプロモーションに変えたところ前年比130%の来店を促すことができた。
検索してもらうためには顧客の記憶に残る必要がある。そのために、対象顧客にとっての価値を正確に伝えたうえで「その場で欲しい」と思わせるのがコツ。
幕の内弁当ではなくシウマイ弁当を目指す。「15秒の動画の中で伝えられることは一つだけ」情報を盛り込みすぎた幕の内弁当タイプのメッセージでは何を伝えたいのか理解されずらく記憶に残りにくい。ユニークな特徴が一点だけある方が記憶に残る。どう覚えてもらいたいかに軸を絞り込む。そのためには、ストレートでは伝わらない一言の表現を動画で伝える際に飛躍させる「クリエイティブジャンプ」が必要。
NewsPicksの事例
良質なオリジナル動画コンテンツを持っている経済メディアです
➡「事実、日本だけが30年間給料が上がっていません」というクリエイティブで成果が出た
コンセプトは同じだが、そのまま伝えても自己紹介しているだけ。「隠れた真実を伝えられる企業」と訴求したことで伝えたいことがより刺さり、効果が高まった。
その他
- 必然性のあるタレント利用
タレントを使わないことで効果が上がるケースもある。タレントありきで企画を進めない方がいい。 - テレビとスマホのクリエイティブの違い
テレビは注目を引き付けるクリエイティブ、スマホは視聴を継続したいと思えるクリエイティブが必要 - 社名連呼型広告はあまり効果がない
- おしゃれさやインパクトだけでも意味がない
- 地方の小さい商圏で試してPDCAをまわす