10分でわかる『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』まとめ

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書籍紹介

幡野広志さんの『うまくてダメな写真とヘタだけどいい写真』についての要約です。

YouTuberやInstagramerによるカメラ講座とは一線を画する、プロのカメラマンによるいい写真の撮り方。小手先のテクニックではなく「そもそも写真を撮るとは」ということから考えさせられる1冊です。非常に軽快な語り口で、一気に読み切ってしまうほど読みやすい本です。

ひと言でまとめると

写真には「うまい⇔ヘタ」と「いい写真⇔ダメな写真」の2軸が存在する。技術と知識を身に着ければある程度は写真うまくなる。一方、いい写真とは見た人に感情が伝わる写真である。うまい写真=いい写真誤解である

「うまくていい写真」を目指したい気持ちはわかるが、数年に一人くらいの超天才レベル。まずは、うまい写真よりもいい写真を目指すことが重要。

書籍のエッセンス

写真撮影の考え方について

うまい写真とは?

うまい写真を撮るには

  • 光を読む
    綺麗な光を使って撮影する。マジックアワーといわれるように日没直後の光を活用する。
    蛍光灯やLED光はフリッカーによりうまく映らない場合も。太陽光+LEDなどのミックス光もホワイトバランスが崩れる原因に。
  • 適切な距離感
    話す距離と撮影する距離は異なる。被写体との距離を保つことが重要(35mmで3mくらい離れる)
  • レンズの選択
    35~50mmの標準レンズからスタート。35mmが撮りやすい

の技術と知識があること

逆に巷にあふれている「三分割構図​」「スローシャッター​」「ホワイトバランスでドラマチックに​」「前ボケをいれて…」などはプロカメラマンはほとんど意識しない。もちろんテクニックを知ることは悪いことではないが、あくまでも手段であって目的ではない。技術を目的にした瞬間写真はダメになる。うまいの価値観も間違っているから下手でダメな写真になる。

実際に、撮影の段階で3分割構図で撮ることはほとんどない。被写体を写真の中心に据える日の丸構図の写真を現像の際に無駄な部分をトリミングして結果的に三分割構図っぽくなることはあるが、最初から狙わない。理由は被写体をレンズの端で狙うことになり、被写体が歪んで映ってしまうから。被写体をきれいに映る写真の中心に据える日の丸構図が基本である。

上手くならない原因は「撮影枚数が少ない​」こと。ヒットが出るのは撮影した写真の3%くらい。カメラの天才でもない限りそうそうヒットは出ない。だからこそとにかく撮ることが大事​

いい写真とは?

いい写真とは見た人に感情が伝わる写真である。

そもそも写真は感動を伝えたいから撮るもの。逆に感動しないものにシャッターは切らない。SNSのバズ/バエ/エモなど第三者の価値観ではなく、自分の価値観で感動したものを撮影する。感動を伝える相手がいなければ自分がその写真を見返したときに感動すればいい。

撮った本人は説明せずとも理解しているからよいが、写真を見た人には説明なしでその感動/感情は伝わらない。「写真を見た人がそれぞれ感じてほしい」とか「言葉にならないことを撮りたい」なんてことができるのは世界の写真史に名を遺すくらいの人物で、普通の人は言葉がないと伝わらない。

だからこそ写真に言葉を添えて、感情を伝えることが重要。写真と文字で80点を目指す。
言葉にする際は、起きた出来事ではなく自分が何を思ったかを言葉にする​。モノや事象の説明では感情が伝わらないし、フランス語や英語のポエム​見る人が読み取れない。

実際の撮影/現像について

カメラはローンで買う

1年間お金をためてカメラを買うくらいなら、まず買ってその1年間写真を撮った方がよい。
カメラはお金がかかるものだから、購入金額の3~10%を家族サービスに使うのが良い。

フルサイズとAPS-C

「きのこの山」と「たけのこの里」の論争みたいなもので、撮影した写真だけ見てもどちらで撮影したものかはほとんどわからない。ただし、2サイズ変わると違いが出てくる。中判サイズとAPS-C、フルサイズとマイクロフォーサーズなど。

撮影後の自動再生をOFFにする

カメラ本体の小さいディスプレイでは撮影した写真の良し悪しはほとんど判断できない。プロは大きなディスプレイで写真を確認する。写真を確認している時間があればその分シャッターを切った方が生産的

また、被写体の相手に不快感を与える。目の前でひそひそと内緒話をされているようなもの。モニターを確認している間被写体との間に溝ができる。

撮影時の音を抑える

レストランや飛行機/新幹線などでカシャカシャと誰かが写真を撮っていたら不快感を感じる。それは同行者も同じで、写真を撮っている間周囲の不快感や視線を感じて表情も引きつってしまう。
特に一眼レフなど撮影時のミラー動作音は要注意。AFの合焦時電子音も同じ。ミラーレスの電子シャッターなどでなるべく動作音をなくすようにした方が良い。

カメラの音だけでなく、服とかアクセサリーとかも含めて忍者のように存在を消すくらいの感覚が望ましい。

RAWで撮影する

JPEGは圧縮されてデータ量が減ってしまうので、後の現像で差が出てくる。必ずRAWで撮影するように。

露出

白飛び、黒つぶれはあたりまえ。写真のスタンダードは明るいところをしっかり明るくして、暗いところをしっかり暗くする。

トリミング

写真の左右を削ると写真がよく見える。横は4:3、縦構図の写真は4:5がおすすめ。縦の写真は長さをより顕著に感じるから。

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